土木技術
山岳トンネル 地盤 ICT・DX

スマートプリズム

山岳トンネル工事における変位計測の効率化を実現

概要
山岳トンネル工事における変位計測は、安全施工のために日常的に実施しています。本計測の課題は、発破掘削による飛石や施工重機との接触により計測プリズムが破損することが多く、対策として計測毎の付け外しが必要であることです。さらに、計測箇所には高所部も含まれ高所作業車を必要とし、切羽作業中に実施できないため、待機時間が発生することがあります。結果、本計測に多く時間を要し生産性が低くなっています。このような背景から、普段はプリズムを壁面内に格納することで破損するリスクを減らし、計測時は遠隔操作にてプリズムを送出させて計測ができる「スマートプリズム®」を開発しました。

特徴
スマートプリズム®は、 ①プリズム伸縮装置、 ②固定筒、③リモコンの3つから構成されています。

①プリズム伸縮装置は、リモコンより送信された信号を受信することで、内蔵された360°プリズムの送出・格納動作を精度良く実施します。そのため、計測時以外は、壁面内に360°プリズムを格納し、飛石等による破損を防ぎます。そして計測時のみ360°プリズムを送出します。また、2回/日の計測を3か月程度実施できるバッテリーが内蔵されており、長期間の計測に対応しています。さらに、計測終了後には、本装置を固定筒より取り外し、再度充電することで、繰り返しの使用が可能となります。

②固定筒は、45㎜の削岩ビットを用いて削孔された孔へ挿入・固定を行った後に、プリズム伸縮装置を設置するための装置です。固定の際は、市販のくさびを用い、安易に実施できます。本装置は、挿入・固定後のずれや抜け落ちを防止するための返し部、プリズム伸縮装置を固定するためのねじ状の接続部、装置を所定の深さで止めるための突出部があります。

③リモコンは、プリズム伸縮装置を遠隔操作するための端末です。本端末は、タッチ操作に対応しており、画面内に表示された任意のプリズム伸縮装置を選択し容易に操作ができます。また、本端末を用いて、通信距離内にあるプリズム伸縮装置の状態確認(通信可否、プリズム送出・格納状態)や新規登録等の各種設定ができます。通信距離は15m以上あり、切羽近傍に設置されたプリズム伸縮装置を安全な位置から遠隔操作することが可能です。