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『中津クロスポイント®』が地域生物多様性増進法に基づく自然共生サイトに認定

お知らせ2025年10月14日

−技術研究所のビオトープで生物多様性の創出に貢献−

当社の技術研究所(神奈川県愛甲郡愛川町)が整備・管理するビオトープ『中津クロスポイント®』※1での取り組みが、主務大臣(環境大臣、農林水産大臣、国土交通大臣)により、創出タイプの自然共生サイト※2に認定されました※3。自然共生サイトは2025年4月に施行された地域生物多様性増進法に基づく制度で、企業等が作成、実施する生物多様性増進計画を主務大臣が認定するものです。


■背景

2022年に「30by30目標」※4が掲げられて以降、生物多様性に対する社会的な関心は高まり続け、ネイチャーポジティブ(自然再興)の実現に向けて、企業やNPO 等の⺠間組織による生物多様性保全の活動が多く行われています。⻄松建設も2024年3月に「生物多様性行動指針」を定め、同年10月に「⻄松しおや共生の森」※5 が法制化前の自然共生サイトに認定される等、ネイチャーポジティブへの貢献に努めています。
2025年4月に地域生物多様性増進法が施行され、自然共生サイトの取り組みも強化されました。変更点の1つとして、昨年度までは認定の対象が「場所」でしたが、今年度からは認定の対象が「活動」となり、より具体的な保全活動の計画が求められることになりました。また、生物多様性の維持だけでなく回復や創出を図ることも重要であるため、維持・回復・創出の3つのタイプを対象とする認定となりました。

■詳細

『中津クロスポイント®』は、技術研究所内の緑地の再整備に伴い、2024年4月に地域性の在来植物を中心に整備されたビオトープであり、428m2 の敷地内に多様な生物の生活様式に合わせて、池、小川、田んぼ、雑木林、草地等の多様な環境を創出しました(写真1)。これまでキイトトンボをはじめとする希少な昆虫類の繁殖が観察される等、新たな生態系保全の場が形成されつつあります(写真2)。また、地元の環境市⺠団体と協⼒して、ヒルムシロやミズニラ等の希少な水生植物や在来植物の保全にも取り組んでいます(写真3)。

写真1-1 整備前の状況
写真1-2 創出されたビオトープ全景
写真2 羽化中のキイトトンボ
写真3 開花するヒルムシロ

■今後の展開

今回の認定を受け、増進活動実施計画に基づき、引き続き社外の関連機関と連携し継続的な調査・維持管理に取り組んでまいります。当ビオトーブにつきましては、近隣の小学生が地元の自然について学べる環境教育の場として提供し、地域社会へ貢献してまいります。また、当活動で得られた生物・生態系に関する知見やノウハウを社内外で展開し、新たな生物多様性フィールドの「創出」を目指します。

  1. ※1当社プレスリリース
    生物多様性保全を目的とするビオトープ『中津クロスポイント』を整備
    https://www.nishimatsu.co.jp/news/2024/post_121.html
  2. ※2環境省 自然共生サイトホームページ
    https://policies.env.go.jp/nature/biodiversity/30by30alliance/kyousei/
  3. ※3環境省プレスリリース
    https://www.env.go.jp/press/press_00761.html
  4. ※430by30(サーティ・バイ・サーティ)目標
    2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全するための世界的な目標。2022 年12 月に生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で採択された「昆明・モントリオール生 物多様性枠組」において掲げられたグローバルターゲットの1つで、日本においても2023年3月に閣議決定された「生物多様性国家戦略2023-2030」の実現に向けた目標の1つとして位置付けられた。
  5. ※5当社プレスリリース
    「⻄松しおや共生の森」自然共生サイトに認定
    https://www.nishimatsu.co.jp/news/2024/post_131.html